愚物語

愚物語

作者:西尾維新

出版社:講談社

出版年:2015-10-6

评分:7.2

ISBN:9784062838894

所属分类:行业好书

书刊介绍

精彩摘录

 あまり多くなって煩雑になってもなんだしな──と、ここでそれとなく、私が扇くんの反応をうかがうと、「ああ、なるほど。そのパターンですか」 と、彼はあっけなくうなずいた。 よくあるパターンなのか……。 自分で発見したと思ったのに。「なんてことだ……『木を隠すなら森の中』という、この暗号を表現する新たな慣用句も考えていたというのに……」「その諺も既にありますが。ミステリー界では慣用句どころか常套句ですが」「マジか。うーむ、こういう気持ちを的確に表す慣用句があればよいのだが……」「ああ、それなら『車輪の再発明』ですね」 あるのかよ。 聴衆のほうがあれこれ造詣の深い謎解きシーンって、それこそ、新機軸じゃあないだろうか……、

——引自第216页


 管理制度が腐敗している。 ずぶずぶだ。 いや、まさか警備員が生徒達から袖の下を受け取っていると言うわけではあるまい。毎日繰り返されるうちに、『どうせ不審者なんて来ないし、勉強しない奴は何を言っても勉強しないし』と、割り切ってしまったというのが真相か──そもそも、こんな大仰なセキュリティは、生徒の保護者に対してのアピールで、実際には厳密に運用されているルールではないというのもあるのだろう。 なんだか……、うん、がっかりだ。 制度がどれだけよく考えられ、よくできていても、所詮は人間のやることだから、ヒューマンエラーは避けられない──そして、人間のだらしなさは、もっと避けられない。

——引自第1页

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